津波予報区の修正を妄想する
ケルパンカではこの記事で初投稿となる、常陸国村人と申します。 ダラダラと執筆していこうと考えております。
さて、津波警報等で用いられる津波予報区は、長さ数百kmの18の予報区に分割されていましたが、現在は都道府県毎をベースに、場合によっては更に細かい66区によって構成されています。 これらは10万もの断層のシュミレーションに基づく区分であり、以前の18区と比べると遥かに合理化されたものとなっています。
この区分に筆者のような素人が口出しする資格はありませんが、筆者は素人なりに「北海道太平洋沿岸東部って名前長すぎね?」「静岡ってもうちょっと分割されてもよくね?」「新潟県上中下越の呼び方すき」等と考えてしまいます。
この記事では、下に示した現在の津波予報区をどう修正するかについて、適当に妄想していきます。
![[日本地図。海岸線が細かく区切られている。]](/articles/2025/12/d350b66b/image01.avif)
修正の目安
修正の際は、以下を目安に妄想します。
区分けの修正
予報区が小さすぎ/大きすぎたり、予報区内のごく一部の地域に対する警報等のために本来は警戒する必要のない地域にも警報等が出される事例がある/ありそうな場合は見直します。 ただし、予報区の大きさの妥当性は、予報区のざっくりとした長さと予報区内の人口、及び修正時の予報区の名称の分かりやすさに基づく事とします。 また、想定される主な津波や海岸の地形を考慮する場合もあります。
例: 現在の「小笠原諸島」: 父島や母島等が対象なので分かりやすい名称であり、火山列島、沖ノ鳥島、南鳥島を含むので範囲は大きいものの、避難を要する人口が数千人程度なので現在の区分で良いものとする。
名称の修正
区分けの修正が行われたか否かに関わらず、テレビ等での情報伝達速度を上げる為、長い名称は情報の受け手が難なく理解できる程度に短くします。
例: 現在の「新潟県上中下越」: 長い名称だが、佐渡と区別する上で旧国名の使用は分かりやすいため、このままとする。
尚、現在の津波予報区がどのような区分けであるかについては、全て気象庁ホームページが出典となっています。
区分けの修正について
津軽海峡周辺
東北地方太平洋沖地震では、11日16:08以降に青森県日本海沿岸にも大津波警報が発表されました。 隣接する秋田県は最大で津波注意報であり、青森県日本海沿岸は大間岬〜むつ市脇野沢(下北半島の左下の出っ張り)を含むので、大津波警報は大間崎周辺の津波に対して発表されたものと思われます。 仏ヶ浦が日本海に向かっているので、日本海の津波を想定して下北半島の一部が青森県日本海沿岸に含まれたのだと思われますが、この事例を踏まえると仏ヶ浦付近を青森県日本海沿岸から切り離した方が良さそうです。
しかし、仏ヶ浦の位置から、青森県太平洋沿岸や陸奥湾に組み込むのは不適当であるように感じます。 そこで、新たな予報区「津軽海峡」を考えます。 範囲は、「青森県太平洋沿岸」の大間町と風間浦村の部分、「青森県日本海沿岸」の竜飛岬以東、「北海道太平洋沿岸西部」の汐首岬以西とします。
東海地方
静岡県付近には相模灘、駿河湾、遠州灘があり、これらに従って静岡県、愛知県の予報区を修正する事を考えます。
- 現在の予報区「愛知県外海」が遠州灘に面している事と遠州灘全体で海岸平野が発達している事から、「愛知県外海」と「静岡県」のうち御前崎以西を統合して「遠州灘」とします。
- 駿河湾は、「静岡県」のうち石廊崎〜御前崎の部分を「駿河湾」とします。
- 相模灘のエリアは、「相模灘」という名称があまり知られていない事から「相模灘」ではない名前を使用します。また、伊豆半島東部と「相模湾・三浦半島」を同一の予報区にすると、南海トラフ地震の際に伊豆半島南部に対して発表される津波到達時間等の値が人口の多い湘南エリアにも発表される事となるので、伊豆半島東部と「相模湾・三浦半島」は別の予報区とします。よって、「静岡県」のうち石廊崎以東を「伊豆半島東部」とします。
- また、「三重県南部」のうち伊勢市は伊勢湾に面しているので、「三重県南部」のうち伊勢市を「伊勢・三河湾」に編入します。
瀬戸内海東部
「兵庫県瀬戸内海沿岸」が大阪湾と播磨灘にまたがっている事等を、主に海域に従って修正します。
- 大阪湾は「大阪府」、「兵庫県瀬戸内海沿岸」、「淡路島南部」に分割されていますが、これらを統一します。現在の予報区の「大阪府」、「兵庫県瀬戸内海沿岸」のうち明石海峡大橋以東、「淡路島南部」のうち今川口(淡路島南東端付近)以北を「大阪湾」とします。
- 「兵庫県瀬戸内海沿岸」の明石海峡大橋以西は、「淡路島南部」のうち鳴門岬以北と合わせて「兵庫県播磨灘沿岸」とします。
- 「淡路島南部」の残った鳴門岬〜今川口は、主な集落が鳴門海峡付近の阿万のみである事から、「徳島県」と合わせて「徳島県・淡路島南岸」とします。
九州周辺
関門海峡付近の入り組んだ予報区設定や人口希薄地域かつ小規模な予報区の「熊本県天草灘沿岸」等を修正します。
- 「愛媛県宇和海沿岸」と「大分県豊後水道沿岸」は、どちらも豊後水道に面しリアス地形が発達しているため、統合して「豊後水道」とします。
- 関門海峡では本州と九州が数キロに渡って近接し、そこには下関や門司の市街地が形成されていますが、最狭部は山口県側が「山口県瀬戸内海沿岸」、福岡県側が「福岡県瀬戸内海沿岸」となっており、下関周辺は彦島南端で「山口県日本海沿岸」と「山口県瀬戸内海沿岸」で分かれ、予報区が複雑になっています。よって、「山口県瀬戸内海沿岸」の関見台公園付近の北緯33.990、東経130.996地点以西、「福岡県瀬戸内海沿岸」の部埼以西、「山口県日本海沿岸」の川尻崎以南、「福岡県日本海沿岸」の鐘ノ岬以東を「響灘・関門海峡」とします。また、「山口県日本海沿岸」の川尻崎以東は「山口県北部」とします。
- 「佐賀県北部」は小規模な予報区である事と、壱岐の九州本土への近さから、「佐賀県北部」、「福岡県日本海沿岸」の鐘ノ岬以西、「壱岐・対馬」の壱岐側を合わせて「玄界灘南部」とします。現在の予報区「壱岐・対馬」の対馬側は「対馬」とします。
- 「熊本県天草灘沿岸」が小規模であるものの、内湾である有明海や八代海とは予報区を区別する必要があります。また、橘湾の雲仙断層群の活動により津波が発生する可能性が考えられ、橘湾と天草下島は近接しているので、「長崎県西方」の橘湾沿岸も編入して良いと考えられます。また、編入しないものの天草灘沿岸ではある薩摩川内市や長島町等と区別するため、「熊本県天草灘沿岸」と「長崎県西方」の長崎市野母町南端以東を「天草灘北部」とします。
- 有明海と八代海は隔てられているもののひとつの予報区「有明・八代海」として統合されているので、これを分割します。国道266号で分割し、北側を「有明海」、南側を「八代海」とします。
- 鹿児島湾は内湾であるものの、薩摩半島の東シナ海沿岸と共にひとつの予報区「鹿児島県西部」とまとめられているので、これを分割します。この際、「鹿児島県西部」のうち南大隅町は東シナ海に面しているので、「鹿児島県東部」に編入します。「鹿児島県西部」の田良岬以北(知林ヶ島を含む)と錦江町以北を「鹿児島湾」とします。
名称の修正について
なるべく短く分かりやすい名称にします。
- 北海道太平洋沿岸は「(振興局)地方」を基準に、「北海道太平洋沿岸東部」→「釧路・根室地方」、「北海道太平洋沿岸中部」→「十勝・日高地方」、「北海道太平洋沿岸西部」(「津軽海峡」を除く)→「渡島東部・胆振地方」とします。尚、北海道日本海沿岸は北部南部共に3つ以上の振興局にまたがっており同様のルールでは名称が短くならない事から、そのままの名称とします。
- 「青森県太平洋沿岸」と「青森県日本海沿岸」(それぞれ「津軽海峡」を除く)は、「東部」と「西部」を用いて、それぞれ「青森県東部」、「青森県西部」とします。
「千葉県九十九里・外房」は、「千葉県東部」とします。 - 横須賀市の東京湾岸は「東京湾内湾」に属しているものの、神奈川県の観音崎以西を指す「相模湾・三浦半島」に「三浦半島」の名があり、この予報区に含まれると勘違いされる可能性があるので、「相模湾・三浦半島」は「神奈川県中西部」とします。
- 「〇〇県瀬戸内海沿岸」とつくものは、全て「〇〇県+(方角)部」に変更し、「愛媛県瀬戸内海沿岸」は「愛媛県北部」、「山口県瀬戸内海沿岸」は「山口県南部」、「福岡県瀬戸内海沿岸」は「福岡県東部」、「大分県瀬戸内海沿岸」は「大分県北部」とします。
地図にしてみる
以上のように修正すると、津波予報区は以下のようになります。尚、以下の地図は筆者が地理院地図の白地図を加工して作成しました。
![[上記修正を施した、北海道の津波予報区を示した地図。]](/articles/2025/12/d350b66b/image02.avif)
![[上記修正を施した、東北・新潟の津波予報区を示した地図。]](/articles/2025/12/d350b66b/image03.avif)
![[上記修正を施した、関東・東海の津波予報区を示した地図。]](/articles/2025/12/d350b66b/image04.avif)
![[上記修正を施した、北陸・近畿・中四国の津波予報区を示した地図。]](/articles/2025/12/d350b66b/image05.avif)
![[上記修正を施した、九州の津波予報区を示した地図。]](/articles/2025/12/d350b66b/image06.avif)
![[上記修正を施した、九州の津波予報区を示した地図の、関門海峡部分を拡大したもの。]](/articles/2025/12/d350b66b/image07.avif)
![[上記修正を施した、南西諸島・伊豆諸島・小笠原諸島の津波予報区を示した地図。]](/articles/2025/12/d350b66b/image08.avif)
所々ゴチャゴチャしていますが、現在の予報区よりは僅かに良くなっているのではないかと思います。