ケルパンカ

TRPGを語る。

TRPGが好き

私はTRPGプレーヤーでして、初めてその存在を知ったのはかなり早かったはずです。多分、2chでソード・ワールドやダンジョンズ&ドラゴンズの話題をちらっと見たのが最初で、それは小学中学年くらいの頃だったと記憶しています。が、その数年後に訪れた記憶的な日は今でもはっきり覚えています。2015年10月12日月曜日、私はTRPGプレイバージンを卒業しました。
友達のT君と、その姉とその人の彼氏だったか男友達だったかとクトゥルフの簡単なシナリオをしました。それ以降、やってきたTRPGは多岐に渡ります。

システム自体も2つ作りましたし、片方は今も公開されています。共同制作なので、私の著作としては紹介できませんが、もし見つけたら遊んでやってください。付属してるデモシナリオの文体で分かる人には分かるかも。
書いて来たシナリオも多数ですが、自分でも全容を把握できてません。有料のものは就職時に全て非公開にしましたが、無料で公開したものは何個がネットの海に漂っているやら。玲瓏とか、ふわり(漢字表記複数)とか、わたあめ(漢字表記複数)だとか、ズボンとか、その辺の単語が作者名に入っているシナリオライターの半分は私だと思ってもらっても良いです。さすがにそれは過言ですが、一体何名義で何作書いたのか、それに何時間かかったのか考えると、青春という言葉で片付けるには少し重過ぎる気もします。しかも、いまその経験が実になってるかというと、他の趣味ほどはなってないのですこれが。無駄だったとは言っていません。その時、たしかに私に必要だった楽しみくれましたし、今も続く付き合いになったネッ友もいます。深夜、あるいは早朝に隠れてVCしたあの頃は、確かに忘れられない思い出です。

学び

とはいえですね、創作上の神話やらディストピアでの生き方について詳しくなったとて、人間の精神の不安定な部分が拡張されるくらいの結果しか残らないのです。グロと狂気に耐性と理解がついたくらいで、そもそも自分を狂わせるだろう闇には触れないという最強の対策がありますから、日本には。「触らぬ神に祟りなし」、古からの知恵です。狂人にも面倒な案件にも痴話喧嘩にも、立候補制のめんどくさい仕事にも。強いて言えば、なんとなくまとまったことを言って初対面の人相手の渉外に活かしたり、リアルに議論を戦わせる時にオーディエンスを湧かせるリリックを出せるようにはなったでしょうか。表現力あるいは交渉の仕方に厚みが出たかもですが、書いてみて気付きました。全部PLよりKPから学んだ技能ですよね。PLとしての経験から得たものは…世界にはいろんな狂った人がいるとわかったこと、でしょうか。

遍歴

話を戻すと、のめり込んだ私はこの後ニコニコでTRPGを見漁るようになり、やがて投稿も始めます。当然CoC6版のるるぶも買いましたが、その後事件が起こります。初回から同卓した例の友達、T君が転校する時、るるぶを借りパクしていったのです。当時、家庭の経済思想が非お小遣い制緊縮財政だった私には相当な大打撃でしたが、もう一度購入することを決意し、ポイントサイトとかで頑張って貯金した記憶があります。そしてまた購入しますが、7版が出たり、進学したりして、いつしか一緒に投稿していた人たちと別れるのですが、解散オフ卓で、またもある人にるるぶを借りパクされ、そのまま連絡が取れなくなりました。あまりにもリア狂すぎたんでしょうね。ちなみに、その人だけが今もTRPG界隈にいます。コアなファンのいる作品の同人界隈に目をつけ、好きでもないのにその作品のシナリオを作ってアコギな商売してます。有料noteまで出してたね。ずっと見てるからね、Hちゃん。うん。その後は懲りて、もう紙媒体のるるぶを買うのはやめました。それ以降はオンラインで野良とやったり、Discord鯖で同志を募ってプレイしました。この時期に、一度でも手をつけたタイトルの一覧は以下の通りです。

  • アリアンロッド
  • ウィザードリィ
  • クリスタニア
  • ソード・ワールド
  • ロードス島戦記
  • ダンジョンズ&ドラゴンズ
  • 指輪物語
  • ルーンクエスト
  • 戦国霊異伝
  • アマデウス
  • ダブルクロス
  • フレイムギア
  • パラノイア
  • シノビガミ
  • マギカロギア
  • インセイン
  • 艦これRPG
  • クトゥルフの呼び声

商業的なものはざっとこんな感じだと思います。他にも、うどんだのゴリラだのSNSで話題を呼んだものや、ネットにPDF一枚だけで存在してるシステムまで、かなりやって来ました。それなりにやったのはアマデウス、パラノイア、シノビガミ、インセイン、艦これで、それら全てと同じかそれ以上やったのがCoCです。うち7割は6版ルールです。残りのうち1割は7版、他の2割を大正やら比叡山やら1920年代やら猫やらに裂きました。

近年の動向

この3年と少しは、正直なところ両手で数えれるほどしかセッションをしていません。特にここ2年はオンセは1回かな。しかし、正直なところもうモチベーションが高くないんです。時間が合わないだけでなくて。界隈から離れて長いですし、新規シナリオを探しててもタイマンかキーパーレスしかないという有様ですもんね。

厳しいことを言う

この現状は、もはやTRPG以前に趣味を共有できる仲間や友達さえそうたくさんはいないのがリアルということでしょう。その点、私は今も昔も共に恵まれて幸せだと思いますね。外の世界はそういうもんなのか、ともはや隔世の感まであります。おそらく、TRPG自体のプレイ人口は減っていないどころか増えていると思うんですが、システムの多様化や、門戸開放によるいわゆる「にわか化」現象に加え、推し文化が持ち込まれたことにより一般化してしまったのが原因なのでしょう。

これは、あえて言葉を選ばずにいえば「汚染」です。この界隈だけではなく、ネット文化には等しく付きまとう宿命なのです。兆候として、BLものが増えるということがあります。ここ数年の傾向はこれと言ってまず間違いありません。そういうものはもともと少なからずありましたけど、彼ら彼女らにとっては、「それ」を楽しむのが主な目的で、好きな既存キャラに好きなセリフを言わせるための舞台装置がTRPGなのでしょう。

実は何をやるかではなく、誰とやるかが肝だったり、普段できないことも言えないこともダイスの思し召しとあらば演じることができたあの頃の私たち…—あえて僕らと表現しますが—そのスタイルは古臭い、オールドスタイルなのでしょう。いわば日陰(かなり大きい屋根の下でしたが)にいた私たちの界隈がついに陽の目を見て燦燦と陽光を浴びるようになって来た訳です。
暑い夏の日に、急に日陰から日向に出ると目眩がします。この界隈にとっては今がその時期と言えるかもしれません。あるいは、もしかするとその症状は単なる一過性のものではなく、深刻な熱中症であり、命に関わる致命的なダメージを与えるものなのかもしれません。つまり、界隈ごと死ぬ前兆なのやも。

彼ら彼女らはこのように、やって来ては界隈の空気を変えて去っていきます。それが良く作用することももちろんあります。風通しを良くしてさらに発展を促すこともありますし、どう楽しむかが自由だからこそ、ゲームというものには無限の可能性と価値があるのですが。問題は永遠にこのブームは続かないということなのです。だから、そのまま廃り切るか、再びオールドスタイルが力を得るか、はたまたもっと大衆化・一般化して老若男女が楽しめる定番のゲームになるのか、どの結末になるかは個々のプレーヤーと、そしてコンテンツが持つ地の力にかかっていますから、凡庸な私には結末は見えませんが、ともかくいずれはこの世界に舞い戻りたいなと思っています。

やっぱりTRPGが好き

かなり先になるかもしれませんが、ケルパンカメンバーでの過去のTRPGログやリプレイに加え、新規でのセッションのまとめ記事なんかも出す予定です。気長にお待ちください。

この記事は、本当は私のアイコンになっている、私が創作し自らイスラトレートしたこの子↓
[アバター: わーりん]
この子に命を与えるためにTRPGキャラとして肉付けしたので、こちらを他のイラストとともにご紹介する予定だったんです。前段としてTRPG遍歴に触れるはずが、それなりに長文になってしまったので別記事にすることにします。次回、イラスト&うちのこ紹介コーナーをお楽しみに!わーりんでした。