ケルパンカ

もののすきずき

過小評価されている人物やモノって、います/ありますよね。最近僕はサッカーをよく見るので、その界隈の話から始めようと思います。これには2タイプあると思うんです。

  1. 評価を受けてはいるけど実際には足りてない人
  2. 評価をそもそも受けていない人

これらは根本的に別物だと僕は考えます。評価が足りないのは、周囲の人間や環境、タイミング、本人に華が足りないなど、評価を受ける側きっかけが不足しているのに対して、まったく評価されていないのは、評価する側の人間がその価値に気付いていないとか、時代がまだ追いついていないなど、基準がないように思えます。

好例

例えば、前者に該当するのはフェデリゴ・バルベルデのような選手でしょう。全ポジションをこなせる器用さとスキルに加えて、あの献身性と運動量は確実にチームの心臓です。特に、銀河系軍団マドリーのエゴイストたちの中でひときわ輝く、全盛期を超えたモドリッチの後継的、どころかその地位を乗っ取った功績はどれだけ評価されてもされすぎということはありません。彼はもちろんファンも多いですが、マドリーの他の選手たちと比べて影が薄くなりがちなのは仕方ないのかもしれません。

また、よく話題に上がるのはロベルト・レヴァンドフスキでしょう。パンデミックによる短縮シーズンのため、公平性に欠けるとして、圧倒的成績を残した2020年のバロンドール受賞を逃したポーランドの至宝です。歴代最高のストライカーの一人でありながら、メッシロナウド時代の陰に沈んだ”被害者”の筆頭でもあります。彼もまた、圧倒的才能を前にして潜伏を強いられてしまったのです。

まだまだ…

個人的には、マルクス・テュラム、ヴィクトル・ギョケレシュ、メンフィス・デパイ、アントワーヌ・グリーズマン、フリアン・アルバレス、クリスティアン・プリシッチといった強者たちに加え、鎌田、遠藤、彩艶といった代表の面々ももっと評価されて欲しいところです。傾向を分析すると、セリエAが最近の低迷に伴って評価されにくくなっている感はかなり強いです。かといって、プレミア一強のこの時代に、バイエルンやパリ、マドリーなどのわずかなビッグクラブを除いた他リーグの評価が下がるのはある意味当然なので仕方ありません。インフレする移籍金などを潤沢に用意して、金額という評価の大きな面を下支えできるのはビジネス的にも大成功をおさめ続けているプレミアとサウジだけなので。

後者に該当する選手の話ができるほど深いファンでもないのですが、あえて言及するなら、若い原石が続々と現れるのがこの界隈。ラミン・ヤマルはもちろん、デジレ・ドゥエ、パウ・クバルシ、マイルズ・ルイス=スケリー、エンドリッキ、ウォーレン・ザイール=エメリ、エステバン、クラウディオ・エチェベリ、ディーン・ハイセン…まだまだいることでしょう。

ロマンがいっぱい

でも、不思議と僕らはこんな彼らに惹かれるのではありませんか。この”ロマン”を、我慢できず追いかけてしまうのが僕ら男児なのです。

日本が以前悲劇的な敗戦を喫したカタールはドーハ、その同じ場所で行われた2022ワールドカップで日本がスペイン、ドイツに勝利したドーハの歓喜、あの衝撃は忘れられません。いつ聞いてもいい響きです。

つい先日、全日本大学選抜が名ゴールキーパー、ダビド・デ・ヘアから2得点し、セリエAフィオレンティーナのトップチームに逆転大金星を獲得したこと。

数週間前、人口52万人の島国カーボベルデがサッカー大国カメルーンを抑えて1位でグループ予選を突破し、初のワールドカップ本戦出場を決めたこと。

対象を広げれば、弱冠27歳の青年織田信長が2000~4000の兵力で25000~45000といわれる今川軍を破り、海道一の弓取りの上洛を阻止したこと。そんなジャイアント‐キリングや番狂わせが僕らの心に響くように、無名の人物が、モノが、アイデアが、正当な評価を得るまでの成り上がりの道筋、そしてそのムーブメントの「古参」になる喜びが、過小評価された人物を僕らが応援してしまう理由なのではないかと僕は思うのです。判官びいきと似通っているのかも。

…と、こんな風にですね、僕は好きだけど世間はまだ気づいていない魅力をときどき発信していければと思うんです。今日は初回ということもあって浅めですが、ニッチな話や共感できない話もあるかと思います。そんなのも読み流してもらえたら嬉しいです。

いつか、この記事を読み返したとき、「そういえばアレ、正しく評価されるようになってるな」と懐かしく思える時が来たら、なんてエモいんでしょう。そんな日が来るまでは元気でいたいと思うわーりんでした。